結婚式/披露宴に参列するにあたっては、気をつけなければならないことがたくさんあります。
新郎新婦の人柄や、会場の種類などによって違いはありますが、これからご紹介するのはごく基本的なマナーですので、必ずおさえておくようにしましょう。
結婚式/披露宴全般を通して、「別れる」「切れる」「離れる」「終わる」などの言葉や、それを連想させる物や事柄は結婚生活の終わりや離婚などを連想させるので使ってはいけません。
また、「くれぐれ」「またまた」「たびたび」などの重ね言葉も、「結婚生活を重ねる」=「離婚・再婚」を連想させるので使わないようにしましょう。「やり直す」「もう一度」なども同じ意味で避けたい言葉です。
お祝いの言葉やスピーチなどでこれらの言葉を使いたい場合は、違う言い回しを探すようにしてください。
また、割り切れる、ということから偶数も嫌われます。
結婚式/披露宴の招待状をいただいたら、早め(一週間以内が目安)に返事を出しましょう。
ずっと返事をしないままにしておくのはNGです。新郎新婦側は早めに人数を把握して、諸々の準備をすすめなくてはなりません。
何らかの理由で即答できないような場合は、いつごろ返事が出来そうかを含め、新郎新婦にその旨を伝え、わかり次第すぐに連絡するようにしましょう。
お祝いの品を贈る場合、刃物は「縁を切る」を連想させるので避けましょう。
ガラスや陶器でできた壊れたり割れやすいものも、「結婚生活が壊れる」「仲が割れる」を連想させることから避けるのが無難です。
ただ一方で、新生活で使える実用品ということで食器やグラスなどは喜ばれるものでもありますので、可能であれば新郎新婦に事前に確認してみるといいですね。
偶数が嫌われるということから、2万円や4万円を包むのは避けましょう。
若い世代を中心に、あまりこだわらない人も増えてきたと言われますが、渡す側としては配慮しておかなければなりません。
また、2万円を包む場合でも、5千円札を2枚と1万円札を1枚でお札を3枚(奇数)にするなどの工夫をするといいでしょう。
夫婦で出席する場合は二人で5万円(近い親族の場合には10万円)を包むのが一般的です。ご祝儀に包むお札は、新札で用意します。
結婚式/披露宴では、服装でも気をつけなければならないことがあります。
まず一番気をつけなくてはならないのは白い服です。男性で白いスーツを着る人はなかなかいないと思いますが、女性がドレスなどを選ぶ時も、白いものは絶対に選んではいけません。白は花嫁の色だからです。
白以外にも、一見白に見えるようなごく薄いベージュやイエローなどもいけません。これらの色は写真に写すとフラッシュの光を反射して白に見える場合があります。写真に白いドレスを着ているように写ってしまっては、あとあとまで気まずい思いをすることになってしまいますよ。
パステルカラーは華やかで結婚式/披露宴にはぴったりなのですが、薄すぎることのないよう、色味に注意して選ぶようにしてください。
また白はダメですが、親族を除いては、黒もいただけません。喪服ではないのですから、基本的には全身黒は避けた方が無難です。
もしどうしても黒い服を着たい場合は、生地に光沢があったりラメが入っていたり、ビジューなどの飾りがあるなど華やかなものを選び、なおかつアクセサリーもゴージャスなものを身につけるようにしてください。きれいな色のストールやボレロなどを羽織れば、一層華やかさが増しますね。
女性の列席者には、会場に花を添えるという役割もあります。間違っても全身真っ黒とスタイルにならないように気を付けてください。
肌の露出は基本的に控えること。肩や足を過剰に露出するのはマナー違反です。
ノースリーブのドレスを選んでもかまいませんが、ストールやボレロなどを羽織って肩をかくすようにしてください。
スカート丈も短すぎるのは品がありません。短いものでも、膝頭が見える程度までにしておくと品よくまとまりますね。
毛皮や皮革を使ったものは用いてはいけません。
殺生を連想させますので、お祝いの席にはふさわしくありません。フェイクファーも避けましょう。
これらは、服装だけでなくバッグなどの小物にも言えることですので注意してください。
とはいえ、よほど厳格ではない限り、靴やバッグはスムース革ならOKとされる場合も多いです。
実際に、合成皮革と本革ではぱっと見ただけでは区別がつきません。ただ、やはり毛皮やフェイクファーなどあからさまなものは避けるようにしてください。
女性は、靴に関しても気をつけたいことがあります。
ヒールの高さです。
基本的には、ヒールは細く高いものほどフォーマルとされますので、普段ハイヒールを履きなれない人でも、3cm以上あるものを履くようにしてください。
当日に足が痛くて歩けなくなってしまっても困りますので、必要に応じて、少し履きならしておくようにしましょう。
また、ヒールが高くても太くてマニッシュなもの、カジュアルなデザインのものや、かかとのないサンダル。ミュールなどもふさわしくありません。ブーツもカジュアルとされているのでNGです。
まさか素足に靴下で参列する人はいないと思いますが、結婚式/披露宴ではタイツも避けましょう。
ヌードカラーのストッキングが基本です。ラメが入っていたり、ラインストーンなど控えめな飾りがついているものを選んでも素敵ですね(柄入りはいけません)。
二次会やカジュアルな形式のパーティーならOKな場合もありますが、結婚式/披露宴ではNGです。会場内は空調が管理されていますから、暑さ寒さは気にしないで大丈夫です。
招待状に「平服でおいでください」と書かれている場合があります。
ここで気をつけたいのは「平服」=「普段着」ではないということです。
二次会や友人同士の気軽なパーティー形式の会ならまだしも、結婚式/披露宴に平服でと言われた場合には正装ではないけれどもきちんとした服装でということだと思えばいいでしょう。
男性ならダークスーツで、女性はドレスやワンピース、スーツが無難です。心配な場合は新郎新婦や一緒に出席する友人などに確認するといいですね。
結婚式/披露宴では、服装と同じようにヘアスタイルもドレスアップしましょう。普段通りでは失礼にあたります。
男性も何もしないのではなく、例え短髪でもジェルやスプレーで整えてください。
女性は巻き髪やアップスタイルにしたり、短いのであればきれいな髪飾りを付けるなどするといいでしょう。
髪飾りを付ける場合は花モチーフのものは花嫁のヘッドドレスに見えてしまうおそれがあるいので避けてください。
また、ティアラに見えるおそれがあるのでカチューシャやヘアバンドもいけません。
パールやラインストーン、きれいなリボンなどを使ったもので、着る物とコーディネートして選ぶと素敵ですね。
結婚式・披露宴に遅刻するのは絶対にいけません。
指定された時刻の20~30分前には会場に着くように家を出ましょう。
万一、交通機関の乱れなど不慮の事情で送れてしまう場合は、なるべく早めに会場に連絡を入れるようにします。
また、遅れて会場に着いてもおもむろに結婚式/披露宴会場に飛びこんではいけません。式の最中はスケジュールに沿って様々なことが行われていますので、進行を妨げてしまうおそれがありますし、何より雰囲気を壊してしまいます。ドアの外のスタッフに声をかけて、遅れてきた旨を伝えてください。スタッフがタイミングを見計らって、席に案内してくれます。
新郎新婦と記念撮影したり、お祝いの言葉を伝える時は手短にすることを心掛けましょう。新郎新婦には相手がたくさんいるのです。個人的なお祝いをゆっくり伝えたい時は、後日あらためて伝えるようにしましょう。
受付で、控室で、会場で、参列者と目があったら「本日はおめでとうございます」とお祝いの言葉を伝えましょう。
たとえ初対面の相手であっても、新郎新婦の大事な招待客であり、今日の日を祝う気持ちは同じです。きちんと挨拶をするのが大人のマナーです。
披露宴中、スピーチや余興が行われる時は、食事の手をとめ、静かに聞きましょう。
基本的には、入場したら途中退場はしません。
トイレなどは会場に入る前にきちんとすませておきましょう。やむを得ず会場の外に出た場合、再入場は、ドアの前にスタッフがいますので、スタッフの指示に従いましょう。
また、披露宴終了後の退場は、順番はありませんので、タイミングを見計らって退場します。
新郎新婦が見送ってくれますが、挨拶は手短に。記念撮影をしたい場合は、すべての人が退場し終わるまで待ってから、手短に行いましょう。
結婚式/披露宴には、原則として小さい子ども連れの参列は避けたほうが良いですが、新郎新婦側から「ぜひ一緒に」と言われた場合に限り、子連れで参列してもいいでしょう。
ただその場合も、新郎新婦や他の列席者に迷惑をかけないよう、細心の注意を払います。
間違っても、子どもを泣かせっぱなしにしたり、騒いだり走り回らせてはいけません。
とはいえ、結婚式/披露宴は子どもにとってはつまらなく、長いものです。
子連れで参列する場合、自分が楽しむのは別の機会にして、子どもがぐずったり騒いだらすぐに退席し会場の外に出ましょう。そのためにも出入口近くの席にしてもらえるよう頼んでおくといいですね。
■忌み言葉に気をつける
■偶数を使わない
■白っぽい服装はしない
■肌を露出しすぎない
■毛皮/ファーを身に着けない
■カジュアルな服装をしない
■遅刻をしない
■式の途中で入退場しない
■子連れの場合、騒いだらすぐに退室する
細かなこともありますが、新郎新婦のおめでたい人生の門出に失礼のないよう、きちんと気を配って臨みたいものですね。