大学4年生で初めてのお呼ばれ
私の初めてのお呼ばれは、10年前の22歳、大学4年生の時です。高校時代の親友の結婚式でした。彼女から大好きな彼との結婚が決まったと報告を聞いた時は、思わず涙が出てしまうほど嬉しかったです。
彼女のお腹にベビーがいたため、負担がかからないようにと披露宴は親族だけ。
私を含めた友人、同僚はチャペルでの挙式、その後レストランでの着席型2次会とカラオケでの3次会に招待されました。もちろん私は二つ返事で出席の返事をしました。式は7月の予定でした。
何を着ていけばいいの?!
返事をしたものの、今までは親についての親戚の結婚式しか出席したことがなく。それもうんと昔の話。
一体ご祝儀っていくら包むものなのか、何を着ていけばいいのか、頭の中は真っ白。一応白いドレスがだめなことくらいは知ってるけど、それ以上は頭が働きません。
2次会はレストランだけど、着席型だからあまりにラフな格好ではだめだろうし、、、、
困った私は、同じく招待されていた友人に連絡を取りました。
彼女は「受付も頼まれているから、黒のミニ丈のワンピで行くよ。」との返事。忘れていた、彼女、黒が大好きだったんだ。でもせっかくのおめでたい席で、黒いドレスがうようよいるのもなんだかおめでたい感じがしないよね。
そう思った私はもう一人の友人に連絡を取りました。彼女が着ていくのは派手柄のワンピ。、、、そうだった、彼女は芸術系だった。
結局友人達は参考にならず、また振り出しに戻ってしまったのです。どうにかイメージをつかもうと、結婚式へのお呼ばれ特集なる記事を読み漁りました。モデルさん達が着ているとどれも素敵なんですよね、当たり前だけど。実際に着てみないと自分に似合うかどうかは、分かりません。
ショック! ドレスが入らない!
私は市内のデパートやショップ巡りの旅に出かけました。
旅というのは大げさに聞こえるかもしれませんが、当時私は留学していて休暇のために実家に帰っていました。その実家というのは橋も渡っていない離島にあったので、市内に出ようと思うと船に電車に乗り継いで片道2時間半。ちょっとそこらにお買い物、というわけにはいかなかったのです。
市内に着いても限られた時間でお店を巡るのは大変でした。
まず、どこへ行けばそういうドレスを扱っているのか分からなかったからです。あっちへこっちへとうろちょろしている内に時間だけが過ぎていきます。
チャペルだから肩が出ていたりするのはだめだよね。ここら辺は雑誌を読み漁った時に勉強しました。とはいえ、肩が出ていないドレスってなかなかな見つからない。
やっと気に入ったドレスが見つかり、手に取ります。
ウエストがきゅっと絞ってあるワンピースタイプで、スカート部分もふわっとなっていてこれを着れば女子力アップ。色も初夏の結婚式らしく淡いミントグリーン。
これなら誰かとかぶることもないかな。それに独身女子ですもの、当日参加する男性の目も気になる。どうせなら普段着れないようなかわいいドレスが着たいですよね。
「ご試着いかがですか」と声をかけられ、わくわくしながら試着室へ。「お客様いかがですか。」という店員さんの問いかけにもカーテンを開けられない私。なんとやっと見つけたと思ったドレス、入りませんでした。
留学してちょっと肉付きが良くなっていた私、当時慎重156cmに体重53㎏。ぽっちゃりさんの私に、このドレスはウエスト辺りがキュッとしすぎていたみたいです。
どうして日本のおしゃれショップにはサイズ2しかないのよぉ~! という心の叫びをおさえつつ、「ちょっとイメージが違って。」と苦しい言い訳でドレスを返しました。
結局市内でのショッピングはフェリーの最終便に乗るため時間切れに。
灯台元暗しでピンクのドレス
長時間の長旅から帰宅後、たいした服も入っていないけど、一応クローゼットを漁ってみます。あれ? このピンクのドレス、成人式に着ていったのだ。成人式のお祝いにと買ってもらったピンクのワンピース型のドレスと上着のセット、2年前に市内の人気のショップで6万円でした。
これならお祝いって感じがするし、と一応試着してみました。体重が増えた後に買ったドレスだから、もちろん大丈夫。ご馳走食べてもウエストも絞られていないから平気そうだし、なんて。これ以上お肉を蓄えたら恐ろしいことに!
なにはともあれ、市内をかけ回らなくてもこんな身近なところにありました。とりあえず、ドレスは決定です。
ドレスだけで終われない
さてさて、ここで新たな問題が浮上してきました。
普段全身ピンクなんて林家ペー&パー子夫妻ではあるまいし、なかなか着ません。しかもそのドレス、ちょっと光沢があるピンクで、すそ部分にはビーズ、セットの上着は七部袖で、首周りにファーがついていました。
なんでこんなに素人にはハードル高そうなドレスを買ってしまったのだろう、私。取りあえず夏だし、ファー部分は取り外して使うことに。
成人式の時にはアメリカからもって帰ってきたパーティーシューズを履いたけど、つま先開いたタイプだからチャペルには不向きですよね。また市内へ行かなくちゃいけないのかな。あ~、誰か私を全身コーディネートしてほしい!
そして再び行って参りました、往復約5時間かけて市内へ。今度は靴選び。ドレスを持ってくるわけにもいかず、とりあえずイメージで探します。
ドレスを扱っているショップでもバッグや靴の小物が揃っているところってありませんよね。それぞれのものを全部違うところで購入するため、お気に入りを見つけるために(もちろんサイズも重要)費やす労力は半端ないです。何件ものシューズショップを回ったけれどなかなか決まらず、結局船の最終便に間に合わすため、ドレスと合うかなと疑問を持ちながらも5000円くらいのホワイトベージュの靴を買いました。
ドレスとシューズは決まったけれど、バッグがない、、、、もう明日なのに。
前日の夜、泣きついた先は「お母さぁ~ん!」。娘のドレスとシューズを見て、母が貸してくれたのは独身時代に使っていたというシューズと似たようなバッグ。私はそっちのブランドバッグがいいんだけど(ブランド物を持っていたら安心という年頃でした)、というと「茶色なんて明らかに合わないでしょう!」と一喝。
やって来てしまった当日
親友の結婚式当日、「ねぇ、大丈夫? 変じゃない?」と友人達に聞いて回る私。そこで変だよと言われても、どうしようもないのですが。友人達は声を揃えて「変じゃないよ、大丈夫だよ。」と言ってくれましたが、「かわいいよ。」というコメントじゃない辺りが痛い。
挙式はとても感動的なもので、新婦入場の瞬間から号泣でした。実のお母さんより泣いてたよ、と周りから指摘されるほどで、開始5分でメイクの7割は落ちてしまいました。
ただ、そんなお祝いの気持ちとは裏腹に、私はこの日ずっと自分のコーディネートに自信が持てませんでした。バッグは余り見せないようにし、3次会のカラオケでは待ってましたとばかり「足が疲れたから」と靴を脱いで隅に隠すように置いていました。
初めてのおめかし、着慣れないドレスと格闘した、ちょっと痛い思い出です。
ちなみにその2年後、会社の同僚の結婚式に同じドレスを着て行きました。10月の結婚式だったのでファーは付けて、シャンパンゴールドのパンプスとバッグを合わせて。
このときはとても好評でした。やっぱりドレスって、小物もとっても大事! それにしてもこれだけ着たら、このドレスも元が取れたかしら?