仲間の中で最後に私を残しみんな結婚
大学を卒業後に関西より上京し、ファッション関係の会社でバリバリ働いていた私。
三十路に差し掛かった頃にマスコミ関連の事務所に転職し、仕事で乗りに乗っていた頃、大学時代の仲良し8人グループの中で7人目の結婚式に出席することになりました。
そう、残された最後の1人は私…。
上京してからの友人は総合職として仕事に打ち込んでいる女性が多く、なかなか結婚式に出席する機会もありませんでした。
しかし、高校時代、大学時代の地元の友人は20代で次々に結婚し、帰省して結婚式に出席した数はとうに10回を超えていました。
地元での結婚式に出席する度に「やっぱり東京でファッションの仕事をしているからオシャレだね!」といった評価を受けてきました。
もうかなりの回数も重ね、ドレス選びもお手の物!のはずでした。
今まで以上に失敗は許されない!
がしかし、今回は違います!
なんと言っても仲間内で最後の独身です。
他の皆のような人妻の落ち着きとは違う独身女の魅力を醸し出さなければなりません。かと言って、色気を前面に押し出して浮いてしまっては下品です。更に、20代の頃のピチピチとしたみずみずしさではなく、大人の女の装いであることが大切です。
もちろん、これまでの6人の結婚式のときに着たドレスのいずれかを引っ張り出すわけにもいきません。
結婚式に招待されると決まったその日から、ドレス選びの戦いが始まりました。
どこで探せばいいのかわからない(涙)
百貨店、セレクトショップ、ハイブランドの路面店…とにかく足が疲れてパンパンになるくらい、あちこち歩き回って探しました。銀座、新宿、渋谷、表参道、青山、いったいどれだけのエリアを回ったことでしょう。
しかし、これまでのドレスとは違った視点が必要で、なかなかストライクゾーンにはまる物が見つかりません。
正直、ハイブランドのドレスにはいくつか魅力的な物がありましたが、ある程度お金を出していいとは思っているものの、やはり高価すぎました。
結婚式くらいにしか着ていく機会がないドレスに、20万円だの30万円だの出せません。
その頃は今のようにインターネットで何でも調べたり購入したりできるような環境ではなかったので、雑誌などは参考になるものの、自分の足で探して回るしかありませんでした。
ただ、それだけ見て回ることで、だんだんと自分が着たいドレスのイメージが具体的になってきました。
丈は足首まであるロング。色はダークトーン。素材は光沢感があるもの。シルエットは体のラインに沿うもの。といったところです。
イメージがはっきりしてくると選択肢が狭まりますが、不必要な物に時間を割くというロスがなくなりました。
灯台もと暗し、こんなところにあったじゃないの!
もう一ヶ月も探し続けているのに…と、途方に暮れていた頃、元職場のアパレルブランドのプレスをしている友人とご飯を食べに行きました。
結婚式のドレス選びに苦労している話をしたところ、「うちのプレスルーム見に来れば?」と言われ、懐かしい職場に遊びに行きがてらプレスルームへ行きました。
私が仕事をしていたブランドは、いわゆるキャリアOL向けでした。
いやいや、オフィスに着て行く服を探しているわけじゃないんだから…と、期待をせずにお邪魔したのですが、なんと! 新しくドレスラインを取り扱っているではないですか!
5年以上携わったブランドで親しみもあり、普段のファッションのイメージもこのブランドに染まっていました。
そんなブランドから出されているドレスライン、私の好みから外れるわけがありません!
しかも、探し回る中で具体的になっていたイメージにもドンピシャのドレスがありました! やはり長く関わったブランドです! さすがです!
そして私の選んだドレスは、素材は黒のベルベット、足首までのロング丈のIライン、ハイネックのアメリカンスリーブ、といった物でした。
価格も、友人が社員割引を使ってサンプル価格で購入させてくれたので、2万円ちょっとで収まりました。実際に店頭で買うと6~7万円くらいの品でした。
夕方からの披露宴だったので、アメリカンスリーブくらいでの肌の露出もOKです。ただし、やはり式のときには露出は控えた方が良いので、後日ストールを買い足しました。
周りからの評判も上々♪
さんざん自分の目で見て回り、何十着も試着し、吟味を重ねた末に選んだドレスは、結婚式当日の私の気分も盛り上げてくれました。
お陰で友人たちともとても楽しい時間を過ごすことができました。
「やっぱり東京にいると違うよね~、都会的でスタイリッシュだよね」
「黒のドレスなのに華やかで存在感があるね」
等々、友人たちからの評判も上々でした。
結婚式という場をわきまえ、マナー違反にならない中で自分らしさを出しながら、写真に写ったときでも主役の新婦よりも目立たないように。
そんな最高のドレス選びができたと大満足でした。
そして、最後の独身の意地も通すことができたと自負しています!(笑)