まさかドレスコードを指定されるとは…
30代も半ばに差し掛かろうとする頃、高校時代の部活仲間の結婚式に招待されました。
もう結婚式のピークも落ち着いてきた頃で、それまでに20回以上は結婚式や二次会に出席してきました。
着用したドレスやスーツも、もう十着以上クローゼットにある状態です。部活仲間の結婚式への出席は4回目でしたから、まだ着て行けそうな服は何着もあったのです。
なのに…まさか招待状にドレスコードが記載されているとは…!!
招待状には、
「明るく華やかな式・披露宴にしたいので、特に女性の方は明るい服装でご参加いただけると幸いです」
といった内容のことが書かれていました。
ピンチです!
まず、これまでの結婚式や二次会に着て行った手持ちの服は、黒、グレー、ダークグリーン、ボルドーなど、すべて落ち着いた色合いの物です。
そして、自分としてはキャラ的にもパステルカラーを着るなんて考えられません!
必ず明るい色の服を着て行かなければならないというわけではないので、もちろん手持ちの服でもいいのでしょうが…。
ファッション業界で働いている私、服装のお題を与えられてそれをこなせないなんて、プライドが許しません!(笑)
なんてことよりも、やはり大切な友達が望んでいることに応えたいという気持ちから、頑張って明るい色のドレスを探すことにしました。
あれも違う、これも違う…
明るい色のドレスやワンピース、いろいろあることはあるんですね。百貨店のフォーマルコーナーに行っても、いろいろあるんです。
でも、「いかにもフォーマルコーナーのドレスです!」っていう感じで。なんていうか…スタイリッシュじゃないんですよ。
そこで、フォーマルコーナーを探しても好みの物は見つからないと諦め、視点を変えて探すことにしました。
あまり結婚式の雰囲気とは合わない感じのブランドですが、普段愛用しているブランドをいくつか見て回ることにしたのです。
普段はどちらかというとクールでシックな色やシルエットの物を着ているので、必然的に好きなブランドもそういったイメージの物が多くなります。
百貨店でいくつかのブランドを見て回りますが、パッと見て明るい色の服がかかっている場所へ直行するので、それほど時間はかかりませんでした。
そして、やっと「これだ!」と思えるドレスに出会うことができたのです!
やっぱり好きなブランドが一番しっくりきました
普段から愛用しているブランドなだけあって、いつもの9号サイズでぴったり。
シルエットやデザインも慣れ親しんでいて好きなイメージなので、着用した自分の姿を鏡で見ても浮いた感じがしません。
色は明るい赤やオレンジを使っていて少し派手な印象ですが、上質なシルクシフォン素材なので、下品には見えません。
お値段は6万円台。予算的には少々お高い感じもしましたが、とても気に入ったので半ば衝動買いといった勢いで購入しました。
明るい色の服なんて自分には無理!と思っていましたが、「いつものあのお店」で探すと、自分らしさを保ちながらもちょっと新しい自分の発見に繋がるんだな、と思いました。
このドレスを選んで良かった!でも…
蓋を開けてみると、結婚式当日の他の出席者は思ったよりも地味な装いでした。
黒を着た人はほとんどいませんでしたが、シャンパンゴールド、シルバーグレー、ライトグレーなどの色味が多く、「あ、こんな感じでよかったのか」と、少々拍子抜けした気もしましたが(笑)
明るいラベンダー色のストールでアクセントを付けて華やかさを出している友達もいて、なるほど! と、他の皆の工夫に感心させられました。
披露宴会場は全体的に明るいトーンに包まれ、開放的で笑顔いっぱいのお祝いムードで楽しい時間を過ごすことができました。
そして、私のドレスはやっぱり少々派手だったかもしれません。
とても主張の強い服だったので、アクセサリーはピアスもネックレスも細いゴールドチェーンを使った繊細なデザインの物にしました。
少し気恥ずかしい感じがしましたが、新婦から「すごく素敵な服を着てきてくれてありがとう! お陰でとても華やかな結婚式になったよ!」と言われたので嬉しかったです。
ただ、その結婚式以降、せっかくのドレスも着用する機会がありません。
年齢的に結婚式に出席することもほとんどなくなりましたし。おめかしして出席するようなパーティなどもなく、せっかく気に入って買ったのに、着る機会がないのはもったいないですね。
思い返してみれば、結婚式に出席するためだけに購入した様な服がどれだけ実家に眠っていることか…。よほどベーシックな物でない限り、シルエットの流行も移り変わっていくので次の機会に着ることができない物も多いです。
これ以上タンスの肥やしを増やしても仕方がないので、次回からはレンタルを検討しようかな、と思っています。