こんにちは。今日も日本社会に対しての挑戦を続ける暇な女子大生です。
今回は、あるIT系企業の方にお仕事を依頼され、婚活パーティに潜入してきました。
~都内某カフェにて打ち合わせ~
「いやあ、どんな変態が現れるかと思ってたけど、本当に普通の女子大生なんですね~」
「今回暇な女子大生さんには・・・・」
「ドレスを着て婚活パーティーに行ってもらいます」
『ドレス・・・』
『マスカレード(仮面舞踏会)・・・!!!』
「普通の婚活パーティでは面白くないので、オタクだらけの婚活パーティに行ってもらいます」
「オタク婚活!!!!?????」
パーティ当日・・・
「来てしまった・・・」
(ボレロ・靴・ネックレス筆者私物)
仮面舞踏会に着ていくにはちょっとカジュアルだけど、婚活パーティにはぴったりな可愛いドレスをレンタルしました。
近くを歩いている若者みんなオタク婚活の参加者なのではないかと疑いながら、指定されたビルを目指す。
入場時間より前に会場に着くと、狭いフロア内にたくさんの若い女性たちがひしめき合っていた。お互いを品定めしているようにも見える。
しかも皆、可愛いのだ。全然オタクっぽさが感じられない。
私はオタク婚活に来る女性を、勝手に「メガネ+ぶかぶかのトレーナー+ボサボサの黒髪」というふうにイメージしていた。大して美しくもなく、「女子大生である」ということしかアドバンテージのない自分に、果たしてこのパーティを乗り切れるのだろうかと不安になった。
時間がきて会場内に入ると、広い部屋に小さな机が20台ほど壁に沿って並んでいるのが見えた。壁側と、その向かいに2脚ずつイスが置いてある。
女性は壁側のイスに座れとの指定があったので私は「6番」と書かれたイスに座った。なんだか落ち着かない。
パーティ開始時刻が近づくにつれ参加者が続々とやってきた。
よくもまあこんなさびれたビルに若い男女がこれだけ集まったなあという感がある。今回私が参加したのは「20代限定」というもので、男性は「多分20代後半なんだろうな」という風貌の人が目立ったが、女性は自分と年が変わらないような人が多かった。
いかにも「オタク」という風貌の人は男女とも少なかった。メガネをかけた男性も数人しかいなくてガッカリした。
「ここ、いいですか?」
急に目の前に色白の男性が現れた。コートを受付に預けに行くとき私のことをジロジロ見ていた男性で、早くもドレスの効き目が現れていると思い喜んだ。
テーブルに来てくれた男性とお喋りし、緊張感を紛らせた。同時に「この人とこのまま上手くやればラクにカップル成立するじゃん」と企んでもいた。
参加者はプロフィールカードに自分の趣味や、職業、年齢などを書き込み、男女でそれを交換して、プロフィールカードを元にお話をするというシステムらしい。
ちなみに私のカードがこちら。
ボーカロイドの声で「パーティスタート」の号令がかかるとそれまで押し黙っていたオタクたちが一斉に喋り始めた。
会場内が一気にうるさくなり、私は目の前の男性の声を聞き取るので一杯だった。
一回のお話しタイムが3分間しかなく、その3分間だけで自分と合うか合わないか見定めなければならないので忙しい。主催者から提供されている「メモ」に「△。話し方が上から目線」「◎。フツウにカッコいい」などとしっかり書いておかないとすぐに忘れてしまう。
回転ずしのように次々とやってくる男性たちとお喋りするうちに、自分が婚活パーティに出会いを求めに来ている女というよりも、面接官のような気持ちになってきていることに気づいた。
「へえ、〇〇さんはメーカーにお勤めなんですねえ。それで職種は営業ですか?」
男性たちも「この女なんかちょっと偉そう」ということを感じ取っていたかもしれない。
「魔法陣グルグル」という漫画や、「ハンターハンター」について深く話せる人がいて楽しかった。驚いたのは、コミュニケーションが上手く取れない感じの方はおらず、皆それなりにお喋りが上手で普通に面白かった。
一人に割く時間が3分とはいえ、20人全ての男性が回転し終わるまでずっと喋りっぱなしなので声が枯れてくる。
ちなみに男性の人数に対して女性参加者が少なかったため、男性側には何度か「一人イスに座り空を見つめるだけの時間」があった。
声が出なくなったため「相手の話に適当に相槌を打つだけ」という省エネモードに入った私は、さっきから隣のテーブルの会話が異常に盛り上がっていることにやっと気づいた。
注意して会話に耳を傾けると、どうやら隣の女の子も女子大生(!)であるらしい。しかも超テンションが高く、明るくてよく笑う聞き上手、つまり彼女は私が持っていないものを全て持ち合わせていたのだ。
全員と話し終わり、ここで第一回目の「アプローチ・タイム」が始まった。もう一度話したい人の番号を記入し、男女ともに合致すればカップル成立、そのまま退場できる。
私は「旧帝大卒、大企業勤務、堀の深い顔立ち」という、どうしてこのパーティにやってきたのか謎過ぎるTさんを第一希望にした。
話した感触も中々だったので、Tさんも私の番号を書いてくれているだろうな等と期待していた。
主催者からアプローチシートの入った封筒を渡される。
開けてみると・・・一枚だけ入っていた!しかし全くタイプではない男性。
ちなみに最初に私のテーブルにやってきた色白の男性も私を選んでくれておらず、傷ついた(私も選んでなかったけど)。
ふと隣を見ると、モテモテ女子大生の封筒にはアプローチシートが山のように入っていて目を見張った。
その後2、3回アプローチ・タイムはあったものの、Tさんは熱心にアピールする私を頑なに選んではくれなかった。
最後の「本命」を選ぶ段階になり、男性と女性で別々の部屋に隔離された。私は「広告代理店に勤めている」というキレイなお姉さんと仲良くなった。
話を聞いているとどうやらそのお姉さんはかなり本格的なコスプレイヤーらしく、「昨日も撮影会があった」と、コスプレ写真をたくさん見せてくれた。
「広告代理店って出会い多いんじゃないですか?」と聞くと
「代理店マンはお金持ってるしコミュニケーション力あるから、全員既に彼女がいるの」
という回答が返ってきて、なるほどと思った。
「こんな婚活パーティ来なきゃよかった」
「正直いまあなた(暇な女子大生)と話してるこの時間が一番楽しい」
などとお姉さんは愚痴っていた。私もこのパーティに嫌気が差していたので、
『パーティが終わったあとお姉さんと打ち上げしよう・・・』
などと夢想し、ワクワクしていた。
別に良い男性が見つからなくても、私は仕事でここに来ているわけだし、可愛いお姉さんとお友達になる方が楽しそうだし・・・ くふふ・・・
私はもはや本命にTさんの番号は書かず、ハーフ顔で港区在住の男性を選んだ(気持ちは既に投げやり)。
いよいよカップルの発表・・・ここで番号を呼ばれればそのまま相手と退場出来、ご飯でもデートでも自由にいってらっしゃいという形になる。
なんと今回は8組もカップル成立したらしく、期待が高まる。
隣のモテモテ女子大生は最初にテーブルについた男性とそのままくっつき、颯爽と会場を後にした。
なんとコスプレお姉さんもカップル成立し(しかも私がちょっといいなと思っていた男性と)、私を置いて去って行ってしまった。
「いよいよ最後のカップルの発表です・・・」
呼ばれないだろうとは思いつつ、どこかで期待してしまう暇な女子大生。誰かとカップルになりたいというよりも、「残り物」という悲惨な状況から早く逃れたいという思いでいっぱいだった。
「番号を読み上げます・・・9番と、17番の方ー!!」
終わった・・・何もかもが・・・
通夜のような表情でうつむく残された人間たちをよそに、カップル成立した男女は本当に楽しそうにはしゃぎながら部屋を出て行った。彼らはきっとこれから近くのジョナサンとかでサンデーでもつつき合うのだろう。
正直この婚活パーティに来る前は、「自分、現役女子大生だし、年に3回くらいは『可愛いね』って言われることもあるし、オタクの中だったらコミュニケーション力も高い方だろうし、色々と楽勝なんじゃね?」などと思っていた。
しかし、現実とは残酷なものである。
私は売れ残ったという屈辱に耐えきれず、同じ「残り物女子」に「このあと暇ですか?」と声をかけた。
結局女子4人で反省会をすることになったが、近くのどのファミレスにもカフェにもさっきのパーティで成立したカップルたちが潜伏していたため、我々非リアガールズたちは即退避した。
彼ら勝ち組たちの近くにいたら全てのエネルギーが吸い取られてしまいそうだ。
しかし天気の良い日曜日のお昼時、どこへ行ってもお店はお客さんでいっぱいで、4人で入れるところを探して都会の街をさまよい歩く残り物ガールズたちの心はより一層凍り付いた。
結局4人の中で一番年上の女性が案内してくれた、彼女行きつけのオムライス屋さんにたどり着いた。そこも人がいっぱいで順番待ちの状態だったのだが、「もう動きたくないので待とう」ということになり、席が空くのを待ちながら寒い店の外で今日の婚活パーティについて語り合った。
一番年上の女性はもう何度もこの「オタク婚活パーティ」に参加しているらしく、初心者である私に色々と指南してくれた。
「このパーティはね、微妙な女の子が売れていくこともあるし、『なんでこんな子がまだ残ってるの?』というような可愛い子が売れ残ることもあるのよ。要は運よ」
「私も何回かカップル成立して、デートしたりもしたんだけど、その後中々続かなくて結局またパーティに参加しちゃうんだよね~」
パーティにやってくる女性たちは、保育士や看護士など、出会いが少ないと思われる職業の方が多いのだという。
彼女らはひとしきりパーティの愚痴やら、仕事の愚痴やら、好きなアニメについて話し終えると、「もう待てないし帰るね」と3人とも帰って行ってしまった。
私は一人でオムライスを食べながらこの日に起こったことは全て夢でありますようにと願った。
結果:オタク・非オタクに関わらず、モテる女は「明るい・やさしい・聞き上手」
今回借りたドレスについて
身長150cmの私にはこのドレスは多少大きかったかもしれない。若干おっぱいが見えそうだった。
しかし返却するまでの流れが非常にスムーズだったし、料金もそこまで高くないので、卒業式もレンタルドレスで行こうかしらと思った。
袴を着るのは面倒だし・・・
筆者が今回レンタルしたドレス
このように段ボールに入れられ、ビニールできちんと梱包されて届きます。(ヌーブラは筆者が別途購入したもの)
ジャケットと合わせればとってもフォーマルな印象。
手持ちのカーディガンと合わせれば適度にカジュアルダウンも出来ます。
淡い色のストールとカーディガンでフェミニン
ドレスレンタル:おしゃれコンシャス
http://dress-cons.com
好きな四字熟語は「成人男性」です。「シャイで知的なメガネボーイ」を探して旅を続けています。小説・コラム・脚本など幅広く活動(していく予定)。「体が柔らかいね」と言われて喜ぶタイプの女子大生です。
ブログ:暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ(http://joshi-daisei.hatenablog.com)
[希望条件(すべてを満たす必要はありません)]
ドレスを着たことがある・これからドレスを着る予定がある・ドレスが好き